鮭と呼ばれて食卓に並ぶものとして、白鮭・紅鮭・銀鮭・桜ます・樺太ます・ますのすけ・
などがありますが、
一般的に紅鮭は高級な鮭、白鮭は庶民的な鮭とされています。
紅鮭山漬け は、その高級な鮭とされている紅鮭をたっぷりの塩と交互に山のように積みあげる、
昔ながらの製法で作った塩辛い鮭です。
この製法はかなり手間がかかる製法で塩と鮭を交互に積み上げた後
一定期間経ったらそれを上下に入れ替えを行いまた寝かせます。
そうすることで、鮭に塩がたっぷり入り水分が抜け、保存性がよくなります。
村上の鮭は歴史がとても古く、西暦645年には、すでに鮭料理が広く食されていて
平安時代には、鮭や腹子を都に献上していたと記録されています。
この献上品が「三面川の鮭」なのです。
時代を下って12世紀頃には、時の中央官庁の通達において
三面川で獲れる鮭は大切な貢物であるので土地の役人であっても勝手に獲ってはならないとして
京から遠く離れた三面川を国領であると主張し、そこで獲れる鮭が重要なものであるといっていた記録があるなど
歴史資料からもそのことがわかります。
そして、村上に伝わる鮭の料理法は100種類以上にもなるそうです。
「塩引き鮭」、「酒びたし」を始め、醤油たれに漬けこむ「焼き漬け」や
「昆布巻き」といって、身を昆布で巻いて醤油たれで煮込むなどの料理が有名です。
さらに身ではなく、普段は捨ててしまう部分を使う料理もあります。
例えば・・・
内臓を野菜と一緒に味噌汁にする「なわた汁」
苦味など無く、ダシなど入れなくてもとても美味しい味噌汁になります
心臓を集めて甘辛く煮た「どんびこ煮」、(村上では鮭の心臓をどんびこと呼びます)
背わたと呼ばれる鮭の腎臓を塩辛にした「めふん」などがあります。
この料理の数々からみても村上の鮭への愛情と歴史が感じられますよね。
■鮭の旬
・1年中出回っていますが、白鮭が産卵のため川を遡上する秋が旬です。
ただ、川の上流に上るほど味が落ち、川に上る前の9月下旬頃までにとれた鮭がおいしいと言われています。
■鮭の栄養・効能
鮭は総合的に栄養価の高い魚です。
EPAやDHA、良質なたんぱく質や魚にはあまり含まれていないビタミンAが豊富に含まれています。
・鮭の身の赤い色素はアスタキサンチンと呼ばれるカロチン色素のためで鮭・鱒に特有の抗酸化物質です。
さらに海産物としては珍しいビタミンDも多く含まれています。
・これらの他にも、ビタミンB1、B2、ナイアシン、脂質、ミネラルなどがバランスよく含まれたスタミナ食といえます。
・血液さらさら、頭もよくなる!
DHAやEPAは血栓を防ぎ、血液をさらさらにして血流をよくするはたらきがあります。
中性脂肪や悪玉コレステロールを増やすはたらきもあり
動脈硬化や高血圧、狭心症や心筋梗塞などに効果があります。
「DHA(ドコサヘキサエン酸)」は脳の発達や知能指数にも関係するといわれ、
さらに老化やガンの抑制効果などがあるとの報告があります。
「EPA(エイコサペンタエン酸)」は鮭の皮のすぐ下の脂質の部分にも多く含まれています。
皮も食べることをお勧めします。
■母なる河は忘れない
鮭は成熟すると生まれた河川に遡上し産卵するという習性があります。
この習性を「母川回帰性」と言いますが、なぜそのような習性を持っているのか詳しくはわかっていません。
おもしろい実験報告があります。
いったん川に遡上した鮭をとらえて、鼻にフタをして海に放す鮭と、眼に覆いをかけて放す鮭と、何もしないで放す鮭、
それぞれがどうなったかというと鼻にフタをした鮭だけが戻ってこれなかったという結果だったそうです。
生まれた川を確かめるには臭覚が重要のようですね。
■雄と雌の見分け方
白鮭の場合、雄雌の特徴は頭に出ます。
体に比べて頭が大きく直線的なのが雄頭が比較的小さくて丸みを帯びているのが雌です。
また、背ビレと尾ビレの中間の脂ビレが大きいのが雄、小さいのが雌です。
尾ビレは雄がV字型、雌はゆるくカーブを描きます。
■十一月十一日は「鮭の日」
漢字の「鮭」の字のつくりの部分から、村上市がPRのため制定したそうです。
ちょうど秋鮭の最盛期にあたるので、毎年魚市場や漁連などでイベントが行われますよ。
山漬け鮭は塩辛いだけでなく旨味も味わえる、とても食欲がすすむ鮭です。
時間をかけて作った昔ながらのしょっぱい鮭をあっつあつの白いご飯のお供にいかがでしょうか?
一切れずつ真空でお届けします。