「鮭の酒びたし」とは、塩引き鮭を11月から4月までの半年間日陰干しで熟成させたもので
村上地方の気候風土が生み出す伝統の味の逸品。酒の肴にお勧めの高級珍味です。
お召し上がり方としては、そのまま召し上がっても美味しいですが
お刺身のようにお皿に並べお酒を少々振りかけて3〜5分浸してから召し上がる食べ方が定番です。
お好みにより、生姜やレモン汁を加えても風味がでて、より一層おいしくいただけます。
村上で行われる夏のお祭りでは、料理の一品にならべられるそうです。
村上の鮭は歴史がとても古く、西暦645年には、すでに鮭料理が広く食されていて
平安時代には、鮭や腹子を都に献上していたと記録されています。
この献上品が「三面川の鮭」なのです。
時代を下って12世紀頃には、時の中央官庁の通達において
三面川で獲れる鮭は大切な貢物であるので土地の役人であっても勝手に獲ってはならないとして
京から遠く離れた三面川を国領であると主張し、そこで獲れる鮭が重要なものであるといっていた記録があるなど
歴史資料からもそのことがわかります。
そして、村上に伝わる鮭の料理法は100種類以上にもなるそうです。
「塩引き鮭」、「酒びたし」を始め、醤油たれに漬けこむ「焼き漬け」や
「昆布巻き」といって、身を昆布で巻いて醤油たれで煮込むなどの料理が有名です。
さらに身ではなく、普段は捨ててしまう部分を使う料理もあります。
例えば・・・
内臓を野菜と一緒に味噌汁にする「なわた汁」
苦味など無く、ダシなど入れなくてもとても美味しい味噌汁になります
心臓を集めて甘辛く煮た「どんびこ煮」、(村上では鮭の心臓をどんびこと呼びます)
背わたと呼ばれる鮭の腎臓を塩辛にした「めふん」などがあります。
この料理の数々からみても村上の鮭への愛情と歴史が感じられますよね。
是非、この村上伝統の高級珍味「鮭の酒びたし」をご賞味ください。